「営業からIT営業なんて、結局やること同じでしょ?」
そう思う人、多いと思います。
僕自身も最初はそう感じていました。営業はどこでも「数字を追ってなんぼ」だと。
でも、実際に 商社営業からIT営業へ転職してみると――
- 会議で飛び交うカタカナ用語が呪文に聞こえる
- 技術用語を理解したフリをして必死にメモ
- 海外ベンダーとの英語メールに心が折れそうになる
想像以上にギャップがありました。
それでも、この転職は僕にとって「キャリアを積み上げる転機」になりました。
この記事では、僕が 商社営業からIT営業に飛び込み、そこで何を学んだのか をリアルに紹介します。
フェーズ1:専門商社営業の日々 ― 板挟み三重苦
僕の営業キャリアは、専門商社から始まりました。
毎日の仕事はこんな感じ。
- 仕入れ先「もっと安くして」
- 顧客「もっと早く納品して」
- 上司「数字まだか?」
完全なる板挟み。
夜遅くまで数字を追い、休みの日も「来週の契約どうしよう」と考える。
気づけば ノルマが生活の中心 になっていました。
ただ、この環境で鍛えられた力もありました。
- 顧客を納得させる 交渉力
- 限られた条件で契約をまとめる 調整力
- 数字で評価される中で粘る 執念
この経験があったからこそ「どこでも食べていける営業力」は身につきました。
フェーズ2:キャリアへの不安 ― このままでいいのか?
営業成績も悪くはなく、生活も安定していました。
でも30代に入り、家庭を持つようになると、ふと考えました。
「このまま40代50代も、数字に追われ続けるのか?」
営業は華やかに見えて、将来に残るスキルは意外と少ない。
ノルマを達成しても、翌月にはリセットされ、またゼロからのスタート。
子どもに「お父さんはどんな仕事をしているの?」と聞かれたとき、
「ひたすらノルマに追われている」としか答えられない自分に違和感がありました。
このとき初めて「専門性を持った営業になりたい」と強く思ったのです。
フェーズ3:IT営業を目指す決断
なぜIT業界だったのか?
- ITはこれからも伸び続ける分野
- ソリューション営業は「課題解決」に直結して成長できる
- 英語を使うチャンスがあり、キャリアの幅が広がる
「ここなら自分の営業力をさらに活かせる」と考え、IT営業に挑戦する決意をしました。
フェーズ4:最初の壁 ― カタカナ用語と専門知識不足
転職して最初にぶつかったのは、カタカナ用語の壁。
- SaaSって何?
- APIって呪文?
- ERP?「RPGの仲間ですか?」
会議で「DX」「クラウド」「ゼロトラスト」なんて言葉が飛び交うと、正直頭の中は「???」だらけ。
必死にメモして後で調べても、説明がさらに難しくて頭を抱える。
この時期に身についたのは、**「わからないけどわかったフリをする力」**でした(笑)。
フェーズ5:商社営業のスキルが救ってくれた
ただ、そんな中でも 商社営業の経験が役立った瞬間 がありました。
ある顧客との打ち合わせ。相手はITに疎く、専門用語に困惑していました。
そのとき僕は、商社時代の例え話を使って、システム導入を「物流の仕組み」に置き換えて説明しました。
結果――顧客が「それなら理解できる!」と納得。
このとき実感しました。
「専門知識が浅くても、営業力で橋渡しができる」
それが僕にとって、大きな自信になりました。
フェーズ6:英語との再会
IT業界に入って増えたのは、海外ベンダーとのやり取りです。
- 英語のメールを読んで意味がわからず頭を抱える
- 会議で突然話を振られて、冷や汗をかく
- 「Yes, I understand.」しか言えない自分に落ち込む
でも、通勤時間に積み重ねていたTOEIC勉強(875点)が土台となり、徐々に対応できるようになっていきました。
英語は「机上の勉強」より「実戦で鍛えられる」ことを実感しました。
フェーズ7:IT営業に転職して変わったこと
IT営業に転職してから、仕事の景色は大きく変わりました。
- 数字を追うだけでなく、顧客の課題解決に関われる
- IT知識を学び続けることで、市場価値を積み上げられる
- 海外とのやり取りで、キャリアの幅が広がる
もちろん課題もあります。
- 技術の進歩が速く、勉強は常に必要
- 商談スピードが早く、最初はついていけない
それでも「知識が資産になる感覚」は、商社営業時代にはなかった大きな変化でした。
フェーズ8:これからIT営業を目指す人へ
僕の経験から、これからIT営業を目指す人に伝えたいことは3つです。
- 営業スキルは必ず活きる
→ ヒアリング力・提案力・調整力はどの業界でも強みになる。 - 専門知識は“理解して伝えられるレベル”で十分
→ エンジニア並みの知識は不要。顧客にわかりやすく伝える力の方が大事。 - 英語は早めに取り組むと武器になる
→ IT業界は海外ベンダーとの接点が多く、差別化ポイントになる。
まとめ|営業経験は「次のステージへのチケット」
「営業からIT営業なんて結局同じじゃん」と思っていた僕。
でも実際に飛び込んでみると、全く違う景色が広がっていました。
- 商社営業で培った交渉力や提案力は武器になり
- IT営業で課題解決型の経験を積み
- 英語を使う環境でキャリアの幅を広げられた
営業経験は決して無駄にはなりません。
むしろ、新しい分野で挑戦するためのチケットになるのです。
👉 次のステップを考えている方へ:
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