「公務員から外資系企業に転職なんて、本当にできるの?」
30代で家庭もあって、安定した立場にいる人なら一度は考えると思います。
僕自身もそうでした。
- 給与は安定
- 福利厚生も安心
- 社会的信用も高い
これ以上望むことなんてあるのかな?と20代の頃は思っていました。
でも30歳が近づくと、だんだん胸の奥にモヤモヤが溜まってきたんです。
「このまま定年まで過ごして、本当に後悔しないのか?」
結果的に、僕は 「公務員 → ライン工 → 営業 → IT → 外資系」 というステップを踏んでキャリアを作り直しました。
この記事ではそのリアルな流れを、フェーズごとに紹介します。
フェーズ1:公務員時代 ― 安定と閉塞感
「公務員って安定してるし、辞めるなんてもったいないよ」
これは当時よく周りから言われた言葉です。
正直、僕自身もそう思っていました。
- 毎月の収入は安定
- 福利厚生も整っている
- 社会的信用もある
20代のうちは、この安定を「正解」だと信じていました。
けれども、30歳が近づくと違和感が大きくなっていきました。
出世は年功序列で、大きな変化はない。将来のキャリアはすでに見えている。
「このまま現状維持でいいのか?」
家庭を持ち、子どもに背中を見せる立場になったことで、その問いはより強く突きつけられました。
フェーズ2:最初の転職 ― 製造ライン工で社会を見直す
「よし、外の世界に出てみよう」
そう決意して最初に選んだのは、なんと製造業のライン工でした。
え、公務員からライン工!?って思いますよね。僕も振り返るとそう思います(笑)。
選んだ理由はシンプルです。
- すぐに働ける職場だった
- 公務員とは真逆の現場で、自分を試してみたかった
- 正直「次の準備までの繋ぎ」という気持ちも強かった
でも実際に働き始めると――
- 毎日同じ作業の繰り返し
- 体力的にも精神的にも消耗
- 「ここに長くいるべきではない」と思い続ける日々
正直、キャリア形成という意味では失敗でした。
次の転職準備を考えるための環境としても、かなり苦労しました。
公務員出身だからこその弱点
ここで大きく痛感したのは、情報不足です。
- 就職活動の仕組みを知らない
- 履歴書や職務経歴書の書き方も不安
- 面接で何を聞かれるのかもよくわからない
公務員として働いていた分、民間の転職活動に必要な知識が全くなく、周囲と比べて圧倒的に不利でした。
それでも得られたもの
そんな環境でも、QC活動や改善提案に関わるチャンスがありました。
「単純作業でも工夫すれば評価される」という体験は、自分の自信に繋がりました。
つまりライン工の経験はキャリアの遠回り。
でもこの失敗があったからこそ「次は正しく情報を集めよう」と強く思えたのです。
フェーズ3:専門商社の営業で得た武器 ― 汎用性のあるスキル
ライン工を辞めた僕が次に選んだのは、専門商社の営業職でした。
「なぜ営業?」とよく聞かれますが、理由はシンプルです。
営業スキルはどんな業界でも通用する武器になると考えたから。
さらに商社なら幅広い業界と関われるため、将来のキャリアの選択肢も広がると思ったんです。
専門商社の営業で学んだこと
実際に働いてみると、営業は想像以上にハードでしたが、その分得られることも多かったです。
- 仕入れ先と顧客の間に立ち、交渉力が鍛えられた
- 数字(売上・利益)を常に追いかけ、結果を出す感覚が身についた
- 多様な業界の顧客と関わる中で、ビジネスを俯瞰する力が養われた
営業は「人と話すだけ」と思われがちですが、実際には数字管理、提案、調整など総合力が問われる仕事。
ここで培った力は、この先のキャリアの土台になりました。
英語学習を少しずつ始めた
ちょうどこの頃から、英語学習を少しずつ再開しました。
- 通勤時間にTOEICのリスニングを聞く
- 単語帳を繰り返し読む
- 英語のメールを真似して書いてみる
専門商社の営業では英語を使う機会は限られていましたが、「将来きっと役立つ」と思い、少しずつ習慣化しました。
この積み重ねが、のちに外資系へ進むための下地になったのは間違いありません。
この時期の学び
- 営業スキルはキャリアの武器になる
- 数字で評価される感覚を身につけられた
- 小さな英語学習の積み重ねが、将来の大きな転機を作る
フェーズ4:IT企業で専門性と英語を身につける
専門商社で営業を経験した僕は、次のステップとしてIT企業へ転職しました。
理由は、「営業+専門知識」を組み合わせれば、さらに市場価値を高められると考えたからです。
IT企業で広がった仕事の幅
IT企業での営業は、単なるモノ売りではなく、ソリューション提案型。
顧客の課題をヒアリングし、最適なシステムやサービスを提案するスタイルでした。
この環境で学んだのは、
- 提案資料を論理的にまとめる力
- プロジェクト全体を見渡して動かす力
- チームや外部パートナーを巻き込む力
商社時代に培った交渉力や数字管理に加えて、**「課題解決力」**が磨かれていきました。
英語の必要性が一気に高まる
この会社では、海外のベンダー(取引先)とのやり取りが増えました。
メール・会議・資料作成……英語が使えないと仕事にならない場面が少しずつ出てきたのです。
正直、最初は苦労しました。
- 会議でスピードについていけない
- 英語の資料が理解できない
- 相手の意図を汲み取れず冷や汗
でも、ここで過去に積み重ねた**「英語学習の下地」**が生きました。
TOEICである程度の点数を取れていたおかげで、完全にゼロからではなく「思い出しながら実戦で鍛える」ことができたんです。
この時期の学び
- 専門知識を身につけることで営業に説得力が増す
- 英語力は突然必要になる。だからこそ早めに準備しておくべき
- 小さな積み重ねがチャンスを掴む武器になる
フェーズ5:外資系企業への挑戦 ― グローバル環境の衝撃
IT企業で専門性と英語を磨いた僕は、ついに 外資系企業 への転職に挑戦しました。
正直、ハードルは高かったです。
英語面接という壁
まず立ちはだかったのは 英語面接。
事前に準備していたTOEIC対策とはまったく別物で、即興で自分の考えを伝える力が求められました。
- 「なぜ外資系で働きたいのか?」
- 「チームをどうリードするか?」
- 「困難をどう解決したか?」
どれもシンプルな質問ですが、即答となるとかなり緊張しました。
それでも、商社・ITでの経験を英語で語れる準備を繰り返し、なんとか合格することができました。
外資系でのカルチャーショック
入社して最初に驚いたのは、成果主義の徹底ぶり。
- プロセスより結果
- 上司との距離感が近い
- 役職に関係なく意見を言える
日本的な「空気を読む文化」に慣れていた僕には、最初は戸惑うことも多かったです。
ただ、実力を発揮すればダイレクトに評価される環境は刺激的でした。
給与水準も上がり、裁量の大きなプロジェクトを任されるようになったことで、「ようやくキャリアがここまで来た」と実感できました。
外資系で得たもの
- グローバルな視点
- 成果主義で評価される経験
- 自分の市場価値を高められた実感
フェーズ6:家庭持ち転職で学んだこと
ここまで書くと「華やかにキャリアアップしてきた」と思われるかもしれません。
でも、実際には家庭がある中での転職は、不安や葛藤だらけでした。
家族との対話を最優先に
転職を決意するたびに、必ず妻と何度も話し合いました。
- 収入がどう変わるのか
- 引っ越しやライフスタイルへの影響
- 子どもの将来に支障はないか
家庭持ちにとっては、キャリアの決断=家族全体の決断。
このプロセスを避けて進めることは絶対にできませんでした。
生活防衛資金の準備
また、どの転職でも「もし収入が下がっても半年は生活できる」ように貯金を確保してから動きました。
この安心感があったからこそ、不安を最小限にして挑戦できたと思います。
ステップを小さく刻む
そして大事だったのは、いきなり大ジャンプしないこと。
- 公務員からいきなり外資系へは無理
- まずはライン工で社会を知り
- 商社で営業スキルを得て
- ITで専門性と英語を磨き
- その先に外資系があった
一歩ずつレベルアップしていくことで、リスクを抑えつつキャリアを積み上げられました。
まとめ:公務員から外資系へ ― 30代家庭持ちでもキャリアは変えられる
僕は 「公務員 → ライン工 → 商社営業 → IT → 外資系」 と、何度も転職を重ねながらキャリアを作ってきました。
- 公務員の安定から飛び出したこと
- 失敗に見えるライン工経験
- 営業で得た数字力・交渉力
- ITで身につけた専門性と英語
- 外資系での成果主義と成長
どの経験も無駄ではなく、全てが次のキャリアにつながる「レベルアップ」でした。
読者へのメッセージ
もしあなたが30代で、家庭を持ちながら転職を迷っているなら――
「段階を踏んで少しずつレベルアップする」ことを意識してください。
いきなり外資系を狙う必要はありません。
ステップを刻み、情報を集め、家族と話し合いながら進めれば、必ず道は開けます。
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