健康診断書の提出期限は全国一律ではありません。転職先から案内を受けたら、受診予約の前に「指定の検査項目」「提出期限」「指定医療機関の有無」「費用の支払い・精算方法」「3か月以内の健診結果で代えられる項目」を人事へ確認しましょう。労働安全衛生規則の「3か月」は、診断書すべての共通有効期限ではありません。
この記事は、内定後に転職先から健康診断書の提出を案内された在職者が、入社準備として確認する順番を扱います。病気の判断や検査結果の解釈、採用選考のための健診は扱いません。
予約前に人事へ確認する5項目
医療機関へ予約する前に、転職先の人事・労務担当へ次を確認します。
- 会社指定の検査項目や書式があるか
- 提出期限はいつか
- 指定医療機関があるか、自分で予約してよいか
- 会社が直接支払うか、本人が立て替えて精算するか
- 直近の定期健康診断結果で代えられる項目があるか
先に予約すると、項目不足による再受診や、指定外の医療機関を使ったために精算方法を確認し直す可能性があります。入社書類チェックリストに提出先と締切をまとめておくと、ほかの書類と一緒に管理できます。
全国共通の提出期限はない
労働安全衛生規則第43条は、事業者に対して常時使用する労働者を雇い入れる際の健康診断を求めています。厚生労働省の案内では「雇入れの際」は、雇入れの直前または直後とされています。
一方、労働者が診断書を会社へ提出する具体的な日付まで全国一律に定めるものではありません。転職先が示す期限、受診から結果発行までの日数、入社日を分けて確認してください。入社日や提出物が曖昧な場合は、まず内定承諾メールで確認する項目を整理します。
前職の健診結果を使える条件
労働安全衛生規則第43条には、雇入れ前3か月以内に健康診断を受け、その結果を証明する書面を提出した場合、雇入れ時健診の該当項目を省略できる規定があります。
ここでいう3か月は、すべての健康診断書に共通する有効期限ではありません。また、前職の健診結果があれば新たな受診が必ず不要になる、という意味でもありません。受診日、検査項目、会社指定書式への記載方法を人事へ伝え、省略できる項目を確認してください。
結果票の原本を渡す必要があるか、写しでよいかも会社の案内を確認します。自分で判断して不要な情報まで提出するのは避けましょう。
費用と精算方法を分けて確認する
厚生労働省と労働局の案内では、法令上事業者に実施義務がある健康診断の費用は事業者が負担するとされています。ただし、予約方法、窓口での立て替え、領収書の宛名、交通費、会社指定外の追加検査などの扱いは、転職先の運用を確認する必要があります。
自分で予約する場合は「上限金額」だけでなく、必要な検査項目、精算期限、領収書以外の必要書類も聞いてください。立て替えが家計に影響する場合は、転職後の初回給与日と空白期間の確認も一緒に行います。
一般健康診断を受ける時間の賃金について、厚生労働省は労使間の協議で定めるべきものと案内しています。勤務時間として一律に扱われるとは限らないため、在職中に受診するなら、現職の就業規則や休暇の扱いも確認してください。
家族の予定と結果発行日を1枚で整理する
以下は法令上の決まりではなく、送迎や仕事との重なりを減らすための編集部からの提案です。
- 提出期限
- 予約候補日を2つ
- 検査結果が発行される予定日
- 子どもの送迎や家族の動かせない予定
- 受取方法と提出方法
この5点を同じカレンダーへ書きます。入社直前の有給休暇や引き継ぎと重なりそうなら、内定後に有給を使う際の家族との調整も確認してください。
健康診断書を安全に提出する
個人情報保護委員会は、健康診断の結果を要配慮個人情報に該当する例として示しています。会社が指定する提出方法を確認し、個人メールや共有端末へ保存したままにしないようにします。
メール添付を求められた場合も、送付先、ファイル形式、パスワード等の指定を会社へ確認してください。検査結果や病名を、提出方法の確認メール本文へ詳しく書く必要はありません。
マイナンバーなどほかの重要書類も同時に扱う場合は、転職時のマイナンバー提出で確認することも分けて読み、提出先を混同しないようにします。
人事への確認文例
入社に伴う健康診断書について確認させてください。指定の検査項目・書式、提出期限、指定医療機関の有無、費用の支払いまたは精算方法をご教示ください。また、〇月〇日に受診した定期健康診断の結果があります。該当項目の代用可否と、提出すべき書類の形式もあわせてご案内いただけますと幸いです。
受診日だけを伝え、検査結果の内容は会社から指定された安全な方法で提出します。
採用選考の健診とは分けて考える
大阪労働局は、雇入れ時の健康診断は採用選考時に実施することを義務づけたものではなく、応募者の適性や採否を決めるためのものではないと案内しています。
内定前に健康診断を求められ、その目的や取扱いが分からない場合は、雇入れ後の健康管理に必要な手続きなのか、採用選考の資料なのかを会社へ確認してください。本記事の手順は、内定後の入社準備を対象にしています。
今日15分で行うこと
- 転職先から届いた案内で提出期限と指定書式を確認する
- 直近の健康診断結果で受診日と検査項目を確認する
- 分からない5項目を人事へ一度に問い合わせる
- 結果発行日を確認してから予約候補日を決める
- 家族の予定と提出日を同じカレンダーへ記入する
公式情報・確認日
- e-Gov法令検索・労働安全衛生規則第43条(厚生労働省掲載)
- 厚生労働省「雇入れ時の健康診断」
- 厚生労働省「健康診断の費用」
- 厚生労働省「健康診断を受ける時間の賃金」
- 大阪労働局「採用選考時の健康診断について」
- 個人情報保護委員会「健康診断の結果と要配慮個人情報」
確認日:2026年9月13日。会社指定の提出期限、書式、医療機関、費用精算、提出方法は転職先へ確認してください。体調や検査結果について判断が必要な場合は、医師などの専門職へ相談してください。

